asagi diary

浅葱色が好きな筆者が、夢中になる絵本や小説のこと、猫のことを発信する雑記ブログ

「カササギ殺人事件(上巻)」密室殺人なのか事故死なのか?

カササギ殺人事件    アンソニーホロヴィッツ著  山田蘭 訳

 

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 本格ミステリーであり、アガサ・クリスティーへのオマージュ作品です。面白いのは、アラン・コンウェイが「カササギ殺人事件」を書いた作家として、本書に挿入されていて、それを女性の編集者が原稿のプリントアウトを読み始めるスタイルです。作中作の形をとっています。

 1995年7月23日。イギリスのある村の、メアリの葬儀から話が始まります。パイ屋敷の階段の下で、家政婦メアリ・エリザベス・ブラキストンが亡くなったのです。発見現場は鍵がかかった屋敷で、当時室内には他には誰もいなかったのです。密室殺人なのか、はたまた掃除機のコードに足をひっかけての事故死なのか?

 パイ屋敷の庭園管理人のブレントが、庭から階段の下に倒れているメアリを発見しました。そして、ブレントは、屋敷のかぎを持っていなかったので中に入れずレッドウィング医師に電話をして、助けを求めたのです。メアリの死体を確認したのはレッドウィング医師でした。のちに、ブレントは使用人小屋のかぎは持っていた事がわかります。

 家政婦が亡くなった事で、小さな村の人々の人間関係の歯車が狂い出します。

 エミリア医師は毒薬の薬瓶を紛失しました。もしかしたら、置き場所を間違えたのかもと。とにかく消えたのです。オズボーン牧師は前任者の後任として、この村にやってきました。ホワイトヘッド夫妻は、骨董を集め、バカげた値段をつけて売っています。信用ならないと思う人もいます。

 メアリの長男ロバート・ブラキストンが14才の時、弟トムは12才。パイ屋敷にある大きな湖で、トムは溺れて亡くなったのです。ブレントとロバートは助けようとしましたが、間に合いませんでした。屋敷は、たくさんの死を見てきたのです。

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 肖像画が燃やされたり、空き巣が入ったり。トムの飼っていた犬ベラが殺されたりします。 ベラを殺したのは、サー・マグナスなのでしょうか?そしてサー・マグナスを殺したのは、ロバートなのでしょうか、ミスター・ブラキストンでしょうか、はたまたその息子なのでしょうか?

 病をえて余命が少ない中、推理をしていく探偵アティカス・ピュント。ピュントはマシュー・ブラキストンの話をヒントに、少ない手がかりから全てを結びつけて、答えにたどり着いたと言うのです。

 果たして犯人は、サー・マグナスなのでしょうか?それとも?あなたには、真相がわかりましたか?たどり着いた答えは、下巻で真相がわかるようです。下巻を読むのが、益々楽しみになってきました。おススメです!

 

 2019年本屋大賞翻訳小説部門第1位獲得。このミス2019年版第1位。ミステリが読みたい!2019年版第1位などなど。