asagi diary

浅葱色が好きな筆者が、夢中になる絵本や小説のこと、猫のことを発信する雑記ブログ

ラプラスの魔女 東野圭吾を読んで

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ラプラスの魔女 東野圭吾 著 を読んで。

 

長編小説で、2018年に映画が公開されました。私は小説しか読んでいませんが、映画のキャストを見てみるとどんな作品だったのか興味がわきます。機会があったら、映画も観てみたいと思います。

 

赤熊温泉で、夫婦で訪れていたうちの夫 水城義郎が、散策中に硫化水素ガスの中毒により亡くなります。ガス中毒として処理されました。しかし、この夫婦は40歳も年齢が離れていることや、散策地域では硫化水素ガスが高濃度になったことはなく、その後一カ月調査をしても濃く濃度にならなかった事から不審に思う人物がいました。

 

また、赤熊温泉から300キロメートルも離れた苫手温泉で、地元の人しか通らないような道で那須野五郎という売れない役者が、同じく硫化水素ガスの中毒により死亡しました。

 

そして、赤熊温泉の地元警察からも、そして苫手温泉の地元新聞社からも事故の調査を頼まれた、地球化学が専門の泰鵬大学教授の青江。

 

この青江教授が、赤熊温泉の調査でも、苫手温泉の調査でもある女の子を見かけたことから話が進みます。

 

女の子とは、羽原円華。父親は、開明大学病院の脳神経外科医であり、世界で初めて難しい手術を成功させています。母親は、10歳の時に竜巻で目の前で亡くなりました。

そして、羽原円華は青江の前で、天気を当てるのです。不思議な力を持つ女の子。羽原円華が両方の温泉地に現れたのは、ある青年を追っての事でした。

 

また、赤熊温泉で亡くなった水城義郎の地元警察、中岡が事件を追います。事件が段々と見えてきたときに、警察庁からもう事件は追うなとのお達しが。

なぜ警察庁?そんなに大きなヤマなのかと、驚きを隠せない様子です。

 

一人の鬼才と言われた映画監督、甘粕才生の名前が浮かび上がってきます。那須野五郎との接点も見つかりました。

甘粕才生を調べるうちに、一つのブログにたどり着きます。甘粕は、何と妻と娘を硫化水素のガスで亡くしているのです。そして、当時家にいて一人生き残った息子は、開明大学病院の羽原に手術をしてもらいます。奇跡的に快復していく様をブログに書き綴っています。

ただ、記憶喪失で父親という事も認識されず、しばらくして甘粕は旅に出て消息がつかめなくなるのでした。

 

これらの人物達が絡み合い、事件の真相へとたどり着いていきます。

驚愕の真実!

 

中盤からは、さすが東野圭吾作品と思わずにはいられませんでした。

やはり脳が、キーワードなのです。

 

天気や空気の動きを予測できると、今日は傘を持って出かけようなど便利だなと単純に思ってしまいました。

竜巻で母親を亡くした羽原円華だからこそ、望んだことなのでしょう。

 

後半のクライマックスは、まさに映画監督が用意しそうな舞台であり、この作品にピッタリでした。ハラハラドキドキです。

 

やはり、おもしろくて一気読みしてしまいました。

ぜひ、東野圭吾さんファンの方も、そうでない方も。楽しめる作品です。

読まない手はないですよ。