映画化された、ピアノコンクール「蜜蜂と遠雷 」これはもう読むしかない!
ピアノのコンクールの小説といえば、私の中では断然「いつまでもショパン」 中山七里さんの音楽ミステリーです!
「いつまでもショパン」は素晴らしかったのですが、「蜂蜜と遠雷」も負けず劣らず、素晴らしいとしかいいようがないです。鳥肌が立ちました。
「いつまでもショパン」については、私のブログの記事「新ジャンル!音楽ミステリー。中山七里3選!」を読んでいただけたら、嬉しいです。
蜜蜂と遠雷 恩田陸さんの本がとても良かったので、ご紹介します。
読んでいると、まるで自分が国際ピアノコンクールの出場者であるかのような、錯覚にとらわれます。
特殊な感覚。胸はドキドキ、手には汗。
臨場感が半端ないです。
音楽から逃げた過去をもつ亜夜、楽器屋さんに勤める明石、チャーミングな演奏家のマサル、天真爛漫で耳が良い塵の4人。皆好きです。
若い頃って夢中になった事はありましたけど、こんなに色々考えたりのめり込んだり、こんなすごい経験をしていないので、ただただ音楽と本気で向き合う人は、すごいなと思います。
コンクールにチャレンジする勇気、コンクールでの成長や友情、ピアノの神様に愛されている人...。12人のコンテスタント。
曲に対する解釈がそれぞれ違って、面白いです。プログラムの選曲の仕方も、個性が出るのですね。
ピアノで宇宙を感じられるなんて!音楽家って、そうやって成長する人もいるんだと、漠然と感じました。
読むと、黄緑色の草原の中でピアノを弾く姿が、目に浮かぶんです。風がそよそよ吹いていて、なんだか心地よい。
不思議です。
私はピアノの曲を聴きながら、読みました。よく知らない曲もあったので、聴きながら読むのはぜひお試しください。おススメの読み方ですよ。
今はユーチューブですぐ再生できるので、便利な世の中になりましたね。
趣味でピアノを少し弾くので、この曲弾いてみたいなー、でも弾けないから弾ける人は羨ましいなーと素直に尊敬します。
そこまでの努力も、すごいのでしょうね。
そして、登場人物1人ひとりを、丁寧に描いているので、親しみがわきました。
人物の背景や、小さな頃からどんな思いでピアノと向き合ってきたのかなどが、今に繋がっているんだなーと感慨深くなります。
さてさて、一体誰がコンクールで優勝するの?
応援してるけど、果たして復活はできるの?
皆、どんな風に譜面を見て感じて、表現するの?
なんだか4人が身近な人に思えてしまって、あぁーなるほどね!こうやって弾いたんだと登場人物に感情移入してしまいました。
世界中から挑むコンクール!
誰が優勝者だったのか、皆の評価はどうだったのか?
ぜひ読んでのお楽しみにしてくださいね。
こんなに素晴らしい話は、読まない手はありませんよ。
「夜のピクニック」で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞受賞。「ユージニア」で第59回日本推理作家協会賞受賞。「中庭の出来事」で第20回山本周五郎賞を受賞。
映画化決定!2019年10月4日から映画館で見れますよ。もうすぐですね。
松岡茉優さん主演で、亜矢役です。他の俳優さん達も、どんな風に演じるのか非常に楽しみです。
映画なので、小説の世界がウワァーッと波になって、押し寄せてくる事を期待します。
恩田陸さんの世界感。
必見です。