asagi diary

浅葱色が好きな筆者が、夢中になる絵本や小説のこと、猫のことを発信する雑記ブログ

思春期の君へ。青春や家族、善悪について考えさせられる。厳選3冊。

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1.夜のピクニック  恩田陸

 王道の青春小説です。高校の一風変わった遠足行事。歩行祭は、かなり過酷で夜通し80キロも歩くのです。歩き続けるなかで、何かの拍子に盛り上がったり無口になったり。質問ゲームを思いつく子がいて、今ここに何があったら嬉しい?と一人ずつ話していきます。一緒に歩きながらたわいもない話をするうち、段々と心開いていきます。一人ひとりの心の動きが変化していく微妙な様子を、恩田さんは上手く描写していて流石です。田舎の風景と折り重なり、読者もいつの間にか参加している気分になれます。そして、達成感を味わった気持ちになれ、しばらくその思いに浸る事が出来ますよ。大人になった今、青春したくなります。思春期に読むと、また一味違う感想を持つのかなと思いました。ですので、ぜひ思春期の人に読んでほしいです。

 第2回本屋大賞受賞。第26回吉川英治文学新人賞受賞作品。

 

2.ぼくのメジャースプーン 辻村深月

 学校で起こったショッキングな事件。それがきっかけとなり、ぼくの幼馴染のふみちゃんは完全に心を閉ざしてしまいました。ぼくにはふみちゃんに、一体何ができるのか?必死に考えていて心がうたれます。ある時、ぼくは自分の特殊な能力に気づき、その力をどの様に使えばよいのか戸惑い続けます。その能力を有名唯一知っている大学教授に学びながら、自分なりに散々悩んで考えます。どの様に力を使うのか葛藤する姿は、心が痛みました。

 人間の善悪って一体何なのでしょうか?誰のために使うのが善になるのでしょうか?自問自答してしまうそんなストーリーです。どうする事が人として正しい事なのかを、物凄く考えさせられます。ある条件をクリアしないとこうなる...使い方次第ではどちらにでも転ぶ、ある意味恐ろしい力なのです。

 果たしてぼくは、この力をどうやって使う事に決めたのでしょうか?善悪って、難しいです。いざ、自分がその立場に置かれたら...置かれても置かれなくても、考え方を変えること事態がはいけない事のか...うーん。あなたはどの結論を出すのでしょうか?

 

3.スキップ 北村薫

 この状況にもし私がおかれたら、きっと厳しいし気が狂ってしまいそうです。心構えがなくいきなりタイムスリップするなんて。

 ましてや女性なら体型が変わってしまって、更にショックが倍増です!一ノ瀬真理子17歳は、寝ていたら突然42歳になってしまいました。今から青春をして恋におちて...それがなぜか、突然全て不可能になってしまったのです。楽しいわくわくする日々が待ち受けているはずだったのに、いきなり高校生の母親になっているなんて。私ならくじけそうですが、真理子はたくましくも、高校の教師として生きていくのです!涙なしでは読めないタイムスリップものです。

 これは、時と人三部作「スキップ」「ターン」「リセット」のうちの一冊です。3冊どれも発想がすごくて、考えた事もありませんでした。かなり読む価値がありますよ。

 

まとめ

  どれも今、思春期の人に読んでほしいと思いました。そして、大人になった時に再び読む事をオススメします。多分、違った見方をするかもと思ったからです。