後悔した事がある人はこれを読んで!感動の波「コーヒーが冷めないうちに」
「コーヒーが冷めないうちに 川口俊和」を読んで。胸が熱くなって涙がとまりません。
あなたは、後悔をずっと気にして生きてはいませんか?または、周りにそういう人はいませんか?どこか胸に何かがつかえたままだったり、心にポッカリ穴が開いて立ち止まってしまったりしていませんか?
とある、とても不思議な喫茶店で起こる出来事。
都市伝説では、その喫茶店のある席に座っている間だけ、望んだ通りの時間に移動できるといいます。しかし、そこには非常に面倒くさいルールがあるのです。それも5つも!
さて、そこまでして過去に戻りたいかはあなた次第。誰しも後悔した瞬間に戻れることなら、戻りたいですよね。
でもこのストーリーは、過去を変えたからといって、現実は決して変わらないんです!それでもあなたは行きたいですか?さあ、この答えは全て読み終えたらきっと出ることでしょう。
コーヒー好きの私には、モカの香りまで漂ってきそうです。また、数さんが全てを見透かしていて、なおかつあたたかい眼差しで淡々とコーヒーを淹れる感じは、きっと素敵なんだろうなと想像してしまいます。
何か心にわだかまりを持ったまま、生きている人にとっては心を救ってくれる喫茶店。とても魅力的です。
4つのストーリーから成り立っていますが、全て繋がっています。
私は第2話の「夫婦」と第4話の「親子」が好きです。どれも深みのあるストーリーですが、そのうちお気に入りの第4話を少しだけ、お伝えします。
第4話のあらすじと感想
この喫茶店のマスターの従妹で、ウエイトレスをしている数さん。そして、お店を手伝うのが従兄の流さんと、その妻である計さんです。
計さんは生まれつき心臓が弱い妊婦さんです。小さい頃から入退院を繰り返していました。妊娠して、日に日に心臓にも負担がかかります。容体も悪化していって、お母さんか赤ちゃんのどちらかしか助かりません。
計さんは、どうしても産みたいのです。そして、一目でよいからお腹の赤ちゃんに会いたいと思うように!
皆この喫茶店で働いているので、その特別席の事を知っています。席が空くのは、ユウレイがトイレに行く時だけなのです。そういうルールですから。
流さんは、計さんが赤ちゃんに会いに未来に行きたいという気持ちを、痛いほどわかっています。しかし、もし未来でお腹の子が存在していなかったら計さんが生きる気力を失ってしまうかもしれないと、危惧して止めます。
そこへ、数さんが計さんを後押しします。そして、計さんは未来に行く事に!
果たして計さんは、未来に行ってお腹の子に会えるのでしょうか?
また、どんな事をしても決して現実は変わらないというルールがあるのに、行く価値は本当にあるのでしょうか?
涙なしでは読めない、あたたかい気持ちがザザーッと波になって押し寄せます。
まとめ
この作品が小説デビュー作だなんて、本当にビックリです!続編もありますので、そちらもおススメです!
本作の元となった舞台「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞。2017年本屋大賞にノミネート。本作が小説デビュー作。
2018年に公開した映画を観る前に、また観た人もぜひ原作を読んでほしいです。これはもう、読むしかないですよ。