asagi diary

浅葱色が好きな筆者が、夢中になる絵本や小説のこと、猫のことを発信する雑記ブログ

日記や手紙にまつわる、心揺さぶるミステリー。厳選3冊!

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 日記や手紙は、自分だけの物だったりやりとりする相手にしか見る事が出来ない物です。どこか秘密めいていますよね。そんな日記や手紙が鍵になっているミステリー。そこには、感動すら覚える物もあれば、逆に探るための物もあったりと、様々です。あなたは読んでみたいという衝動にかられませんか?絶対に無駄足にはなりませんよ。

 

1クローズドノート  雫井脩介

 イラストレーターの世界って、興味はありませんか?私とは全くかけ離れた世界です。そんな世界を、ちょっぴり知る事が出来るこの作品。主人公が引っ越ししたことで、面識のない亡くなった小学校の伊吹先生の日記を、部屋で見つけてしまいます。伊吹先生は、苦悩しながら懸命に子供たちと向き合って生きていた証が、そこには書かれていました。その人が心のこもった人である事を知ります。この伊吹先生、著者にはモデルがいたようです。情熱にあふれた、素敵な先生だったのでしょうね。著者がどんな思いで描いたのか、気になります。後半になり、話はどんどん進んでいきます。まるで、マンドリンのコロコロという音色が聴こえてきそうです。伏線が最後は見事に回収されて、驚きの事実がわかります。あなたは、知りたくありませんか?涙あふれる、ちょっぴり切ないストーリー。おススメです!

 

2.往復書簡 湊かなえ

 手紙のやりとりを手法にしていて、面白いです。しかし、内容はミステリーに満ち溢れています。4編から成るこのミステリー。一番心に残ったのは、「20年後の宿題」です。

 教員を定年退職した時に、教員人生の中で忘れられない6人の子供たちが心にずっと引っかかっています。今どうしているのかと知りたくなります。そこで自分では連絡を取らずに、大場くんを頼ります。大場くんに6人に会ってきてほしいと病室から手紙を書くのです。

 忘れもしないあの日。小学四年の体育の日、赤松山に落ち葉拾いに行く事になりました。メンバーは先生とその旦那さん、クラスの気になる男子3人と女子3人。ダム公園でお弁当を食べたあと、事件が起こります。川によっくんと旦那さんが落ちて、旦那さんが亡くなったのです。

 究極の選択!二人が溺れ、一人しか助けられない場合、あなたならどちらを助けますか?生徒を助けるのか、もしくは愛する連れ合いなのか?

 救急車が来るまでに、見てしまった真実!20年の時が経ち、真相が判明した時あなたならどうしますか?

 手紙を読むのに、ハラハラドキドキするのが伝わってきます。胸が締め付けられる思い!さあ、あなたは真実を知りたくはありませんか?考えさせられる話です。

 

3.サクラ咲く  辻村深月

 辻村さんの作品はどれも、何か大切な事を訴えているので大好きです。他の作品とは一味違っているので、違う意味で楽しめます。

 これは3部構成されていて、1部「約束の場所、約束の時間」では、悠くんが健気で寂しくても頑張る姿に心がうたれます。友情って素敵だなと思えます。朋彦くんと仲良くなれて、よかったです。3部作の中で、一番好みの作品でした。あたたかい気持ちにもなれ、ハラハラドキドキもする素敵な作品です。必見!

 2部「サクラ咲く」では、思春期の友達関係に悩んだり、葛藤する姿が描かれています。女の子同士のやりとりは、女子なら誰もが身に覚えのある事かもしれません。秘密の手紙のやりとりが心を躍らせる出来事で、その手紙を見つけた時読み手も一緒にワクワクしてしまいます。どんな風に手紙のやりとりをしているのか?手紙の相手は一体誰なのか、あなたは心が奪われること間違いなし!そして、こんな大切な薬を誰が開発したのでしょうか?感動の波がおしよせる、あぁそうだったのかと納得のストーリー。

 3部「世界で一番美しい宝石」傷つける側の人間、傷つけられる側の人間。どちらも嫌ですよね。傷つけた側は、意外とそんな事は忘れていたり、重要視していないものです。心の闇が覗けます。

 そんな中でストーリーが進むうちに、心がほっこりするこの作品。必見です!

 

まとめ

 私は今は、社交辞令や親友にしか手紙を書きません。手紙もこれほど重い内容は書かないので、手紙からわかる真実は目新しくて面白く、ひといきに読みおわりました。私が好きな作家さんの3作品。どれも一押しです!