今、気になる弁護士-御子柴という男。中山七里さん小説より。
中山七里さんは、音楽ミステリーも描いており、ピアノ好きの私にとってはとても素晴らしい。
しかし音楽ミステリーだけではなく、なんと法廷物のミステリーもたくさん描いていらっしゃる。またそれが、何とも言えず素晴らしいのだ。
その法廷物の小説に登場する、御子柴礼司。
私はこの人が今、気になる存在である。犯罪をかつて犯し、罪を償う間に恩人に出会ったのだ。
その恩人は教官であり、その人から学ぶことが多かったようで人間的に成長していく。
御子柴が弁護士になってからは、顧客はお金持ちばかり。そして、裁判ではとことん突き詰めて、必ず勝つのだ。
しかし、メデイアに取り上げられると御子柴の過去が知られて、仕事が途絶える事もあるようだ。
そんな影があり、罪を償った御子柴は刑務所で猛勉強をし、弁護士になったのだ。
刑務所内ではピアノに感銘を受けたり、依頼人の連れ子の幼い女の子に好かれたり。
なぜか事務員は、過去を知っても怖がりもせず、やめないし。
回想という形で、過去の御子柴礼司を知ることができるのも、見どころである。
心の動きを描くのに、非常に長けている中山七里さんだ。
哀愁漂う御子柴礼司という男は、地の底から這い上がったからなのか、あるいは仕事の仕方がすごいと思うからなのか、尊敬はしないがなぜか気になるのだ。
魅力を感じると言ってもよいだろう。そして、一冊読んだらもう止まらない。私は御子柴シリーズを読み漁った。
ここで、中山七里さんを読む時に気をつけておくべき事を、お伝えしよう。
どれも一気読みしてしまうので、私は必ず2〜3時間しっかり時間を取れる時に読み始める。一度読み始めると、読み進めたくてうずうずしてしまうからだ。
翌日に差し支えるので、皆さんももし読み始めるのならば、ぜひまとまった時間がとれる時をオススメする。
それほどに面白いし、どんでん返しもあるので読んでいてドキドキワクワクしっぱなしなのだ。
さて、御子柴シリーズを読んでみたいとは思ってもらえただろうか?ぜひ、一冊読んでみてほしい。
そうすれば、あなたはもう御子柴礼司の虜になるのは間違いなし。人生についても考えさせられる、そんなシリーズなので、ぜひおススメ!
御子柴シリーズは、この4冊。贖罪の奏鳴曲・追憶の夜想曲・恩讐の鎮魂曲・悪徳の輪舞曲。必見です。