asagi diary

浅葱色が好きな筆者が、夢中になる絵本や小説のこと、猫のことを発信する雑記ブログ

家族で読んでほしい深~い絵本。「おこだでませんように」。

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この絵本は、七夕の時期の絵本です。

しかし、他の時期に読んでも、とっても素敵なんです。

 

この頃は、コロナの影響で家族で家の中で過ごす事も多くなってきた方も、大勢いる事でしょう。

そんな時、この絵本を手に取ってはいかがでしょうか。

 

小学校一年生の いつも怒られてばかりの男の子が、主人公です。

短冊にこめた この男の子の気持ちを思うと、泣けてきます。

そして、自分のことがよくわかっている男の子なのです。

 

子どもの気持ちに、寄り添いたいですね。

 

おこだでませんように  くすのき しげのり作・石井聖岳 絵

 

横を向いた、眉間にしわをよせて口をへの字に曲げた男の子が表紙の絵本。

目には涙を浮かべています。

 

家でも学校でも、怒られてしまうのです。

おかあちゃんが仕事で帰りが遅いときは、妹と遊んであげます。

しかし、妹はわがままを言ってすぐに泣くのです。

そして、おかあちゃんが帰ってくるまで泣いていたり、帰ってきたとたんに泣き出すこともあるのです。

 

妹が泣いたら、必ずおかあちゃんに怒られるのです。

「また妹を泣かして!」「まだ宿題してないの」

 

妹と遊んであげたから、宿題がおわっていないのです。

でも、それを言うと もっと怒るのがわかっているのです。

だから、黙って横をむくのです。

 

学校でも先生に怒られます。

友達はサッカーに入れてくれません。

悔しくてキックとパンチをお友達にしたら、先生がやってきて僕だけが怒られた。

「暴力はいけません!」

 

仲間に入れてくれないのは、ぼくの心がもらったパンチやで。

 

休み時間に大きな声で歌を歌っていたら、怒られた。

入学式の時には、大きくて元気な声だねって言われたのに。

 

「わるいこ」なんやろか。

 

短冊に何を描くのか一生懸命考えていたら「早よう 書きなさい」と、また怒られた。

入学してから教えてもらったひらがなで、こころをこめて、かいた。

「おこだでませんように」

 

短冊を先生に出したのは、ぼくが最後だった。

あーあ また怒られる

 

短冊を読んだ先生は、泣いていた。

「せんせい・・・おこってばっかりやったんやね。・・・ごめんね。

よう かけたねえ。ほんまにええ おねがいやねえ」

 

先生がほめてくれた!

さっそくお願いが叶った。

 

夜先生が電話をかけてきて、お母ちゃんと話していた。

「ごめんね、おかあちゃんも怒ってばっかりやったね。」

ぎゅうっと抱きしめてくれた。

 

まとめ

暴力はいけなかったですね。

「ぼくの心がもらったパンチやで。」言葉の暴力は怒られませんでしたね。そして、体の傷はすぐになくなりますが、心の傷はそう簡単には癒えません。

「おこだでませんように」

ならいたてのひらがなで、「おこられませんように」と書きたかったのでしょうね。

これを題名にするあたりが、とってもこの作者は素敵だなと思いました。

 

さいご、先生とおかあちゃんがぼくの気持ちをわかってくれて、本当によかったです。

家族で読んでほしい絵本。おススメですよ。